虎痴と殿の赤壁逃避行 2002.5.27up


北方謙三 三国志 七巻より
曹操萌えにはたいへん刺激の強いワンシーンから。

赤壁で大敗した曹操は、とるものもとりあえず逃げます。
退路は泥また泥の悪路。疲れ果てた曹操は、泥に脚をとられて
倒れてしまいます。
親衛隊長の許チョに抱き上げられた曹操は、
許チョの腕のなか、なんともいえない心地よさに包み込まれ、
それまで他者に閉ざしていた心をここではじめて開いたのでした。

「私だけが、おまえのことを虎痴と呼ぶ。
おまえだけが、私のことを殿と呼べ」
ちょっと不器用で純真な北方曹操のコミュニケーション方法が
なんともいじらしく、いとおしい名場面ではありませんかvv